
高齢者を運動インストラクターに!
若者だけには任せておけん!「センニン」育成プロジェク ト
2025年10月始動
高齢者自身が運動のリーダー(=センニン・インストラクター)
になる仕組みを作ります。
「私にも何かやれることはないかな」 「リハビリをしたいけど、廊下を歩くだけじゃつまらない」 「スタッフがやってくれるけど、自分でも何かしたい」
これは、私たちが実際に出会ってきた高齢者の生の声です。 そして、同じような葛藤やもどかしさを抱える施設職員、地域住民、専門職の方々も多くいらっしゃいます。
介護保険の限界、人手不足、感染症による交流制限。 それでも、「なんとかしたい」と願うあなたへ。
このプロジェクトは、そんな思いを持つ“同志”と共に、 現場の常識を超える新しい介護の仕組みを、共につくり上げていく挑戦です。
高齢者が
「教える側」へ
入居者自身が運動リーダーとなる「センニン・インストラクター」を育成。
受け身の介護から、自ら動き、周囲を巻き込む“主体的な介護”へと転換します。
社会的役割と
生きがいを回復
リーダーになることで、責任感と達成感が生まれます。
「誰かの役に立つ」経験が、QOL(生活の質)向上と孤立予防につながります。
現場と理論に
基づく再現性ある仕組み
大学研究に基づく理論的根拠と、現場での実績を両立。
週1回の活動継続や、月1回の外部フォローにより、施設でも地域でも持続可能な運用が可能です。
センニン・インストラクター育成事業とは?

施設に入居する高齢者の中から「運動リーダー=センニン・インストラクター」を育成。
専門家が一方的に教えるのではなく、 高齢者自身が仲間に運動や体操を“教える側”になることで、
- 自分の役割が生まれ
- 責任を持つ意識が育ち
- 生きがいのある日々へと変わります
運動の時間が、ただのレクリエーションではなく、 「自分のため」であり「仲間のため」の、価値ある時間になるのです。
プロジェクトのステップ
STEP 1:「声」から始まる気づき
運動したい、役に立ちたい──“やる気”は高齢者の中にある
介護の現場で日々聞かれる「もっと体を動かしたい」「何か役に立ちたい」という言葉。これは偶然ではなく、高齢者の潜在的なニーズです。この声に耳を傾け、現場の課題としてではなく、社会的な可能性として再定義することが、このプロジェクトの出発点です。
STEP 2:リーダーを“育てる”仕掛け
「やらされる」から「自分がやる」へ──自立と尊厳の回復
高齢者自身が「教える側」となるセンニン・インストラクター制度。運動知識だけでなく、コミュニケーション力やリーダーシップも育てるカリキュラムにより、主体性と誇りを取り戻し、社会との再接続を促します。
STEP 3:運動文化を日常に根づかせる
「継続する場」が人を変える──週1回の運動が習慣になるまで
リーダーを中心に毎週の運動活動を実施。フォローアップ体制と、運動を“交流”や“対話”の場にする工夫によって、無理なく、楽しく続けられる仕組みが整います。ここで築かれるのは単なる体力ではなく、「続ける力」と「仲間とのつながり」です。
STEP 4:地域とつながる仕組みづくり
施設の枠を越えて──共に学び、共に支える関係へ
センニン・インストラクターの活動は施設内にとどまりません。地域高齢者との合同プログラム、世代を越えた交流会などを通じて、入居者と地域住民が“支え合う”新しい関係を築きます。これにより孤立の予防と地域共生が進みます。
STEP 5:持続可能な介護モデルの展開
この仕組みを、ひとつの“新しい標準”へ
この事業はモデルケースにとどまらず、養成マニュアル・実施フロー・評価指標を整備し、他施設でも導入可能な仕組みへと進化します。行政や他法人との連携も視野に入れ、全国への波及を目指します。
このプロジェクトが目指す未来:3つのキーワード
1. 「役割」がある介護へ
得意を活かす
高齢者は「支援される存在」ではなく、「支える力を持つ存在」として尊重されるべきです。自ら運動活動のリーダーとなることで、自己効力感・誇り・達成感が育まれ、生活に意義と希望が生まれます。

2. 「つながり」がある開かれた施設へ
施設内外の人々とつながることで、入居者が孤立せず、社会の一員として関われる環境が生まれます。運動活動や交流イベントを通じて、共に笑い、共に動く時間が増え、コミュニティの質が高まります。

3. 「続いていく仕組み」へ
一時的なイベントではなく、リーダーが主体となることで日常的に運動が継続される「仕組み」を築きます。これにより、施設における健康づくりが“文化”として定着し、モデルとして他地域にも広がっていくことを目指します。

根拠もしっかりと
この事業は、理論にも、実践にも裏付けられています
岡山県立大学の研究(2024)では、 身体活動は高齢者の身体的・精神的・社会的健康を高め、QOLを向上させることが示されています。
また、大阪経済大学の研究(2021)では、 集合住宅の高齢者は地域から孤立しやすく、役割の喪失が孤独や重度化のリスクを高めると報告。
私たちはこの知見を背景に、「継続的・内発的に動ける仕組み」を現場に届けて行きたいのです。



NPO法人cocofull × 株式会社ShiN
未来へ!
このプロジェクトは、集団体操のプロ・特定非営利活動法人ココフル(NPO法人cocofull)と株式会社ShiN(シン)が、両者が連携して取り組んでいます。
NPO法人ココフルは、地域の高齢者を対象とした運動教室や健康支援活動を中心に、10年以上にわたり多世代のつながりを育む活動を行ってきた団体です。株式会社ShiNは、看護・介護の専門職による自費訪問看護・保険外支援を展開しており、ココフルの「地域とのつながり」とShiNの「現場力と専門性」が融合することで、持続可能で地域に根ざした“高齢者が主役になる介護モデル”を共創を目指しています。