アニサキス食中毒について

アニサキスとは?

アニサキスは、海の魚やイカなどの内臓に寄生する寄生虫であり、主に生魚や加熱が不十分な魚を食べた際に感染が発生します。この寄生虫は特にサバ、サケ、カツオ、イカ、タラなどに多く見られます。魚が死んだ後、アニサキスは内臓から筋肉部分(身)に移動することがあります。これを生で食べることで、激しい腹痛や嘔吐を伴う食中毒が引き起こされることがあります。感染を防ぐためには、魚を十分に加熱調理するか、冷凍処理を行うことが推奨されています。このような対策により、アニサキスのリスクを大幅に減少させることができます。

主な寄生魚

  • サバ:脂がのって美味しいが、寄生虫がいることもあるので、新鮮なものを選び、しっかり調理しましょう。
  • アジ:日本の食卓に欠かせない魚で、特に刺身やたたきで人気がありますが、寄生虫には注意が必要です。
  • イワシ:小さな魚ですが、栄養価が高く、様々な料理に使われます。寄生虫を避けるためには新鮮さが重要です。
  • サケ:刺身や寿司として人気があり、特にアラスカ産や北海道産が高品質とされていますが、寄生虫のリスクがあるため冷凍処理が推奨されます。
  • サンマ:秋の味覚として知られ、日本では塩焼きが定番ですが、新鮮なものを選ぶことが大切です。
  • イカ:刺身や寿司などで広く食されており、寄生虫のリスクを考慮し、適切な下処理が必要です。

アニサキスは1~3cm程度の白い糸状の虫で、魚の内臓や筋肉に寄生しており、肉眼で確認できます。しっかりと加熱したり冷凍したりすることで、食中毒のリスクを減らすことが可能です。

アニサキス食中毒の症状

アニサキス食中毒は、魚介類に寄生する線虫であるアニサキスが、ヒトの消化管に侵入することで発生します。これにより、急性胃腸炎のようなさまざまな症状を引き起こします。アニサキスは主に生の魚や加熱が不十分な魚介類を通じて体内に侵入するため、刺身や寿司などの生魚を食べる際には注意が必要です。

主な症状

  • **激しい腹痛**(特に食後数時間以内):これはアニサキスが胃壁や腸壁に付着した際に引き起こされ、非常に強い痛みを伴います。
  • **吐き気・嘔吐**:胃のむかつきを感じ、しばしば嘔吐を伴います。
  • **下痢**:消化管の刺激により下痢を引き起こすことがあります。
  • **胃のむかつき**:消化不良や胃の不快感として表れることがあります。

通常、これらの症状は魚を食べた後数時間から十数時間以内に発症し、「胃が捻じれるような痛み」と表現されることもあります。症状の発現には個人差があり、魚の種類や食べた量、アニサキスの数などによって異なることがあります。

稀に腸アニサキス症

場合によっては、アニサキスが腸に侵入し、1日~数日後に腸閉塞や腹膜炎といった深刻な症状を引き起こすことがあります。このような場合、緊急の医療措置が必要となることがあり、手術によってアニサキスを取り除くことも考慮されます。腸アニサキス症は比較的稀ではありますが、症状が重篤化する可能性があるため、早期の診断と治療が重要です。

診断と治療

アニサキス食中毒が疑われる場合、迅速な診断と治療が重要です。胃カメラ(内視鏡)を使用して胃や腸の中を直接観察し、アニサキスの寄生が確認されれば、専用の鉗子を用いてアニサキスを直接取り除くことができます。これにより、痛みや不快な症状が即座に軽減されることが多く、患者の回復が促進されます。

予防方法

アニサキス食中毒は、以下の方法を実践することで予防が可能です。

加熱

アニサキスは高温で死滅する性質があるため、魚介類を調理する際には、内部温度が60℃以上になるまで十分に加熱することが推奨されます。これにより、食中毒のリスクを大幅に低減できます。

冷凍

アニサキスは低温でも死滅します。マイナス20℃で24時間以上冷凍することで、魚介類中のアニサキスを効果的に死滅させることができます。冷凍技術を利用することで、新鮮なまま安全に保存することが可能です。

内臓をすぐに取り除く

魚を捕ったら、できるだけ早く内臓を除去することが重要です。こうすることで、アニサキスが魚の筋肉部分に移動するのを防ぐことができ、後の処理が容易になります。

視覚確認

刺身や寿司を食べる前には、白い糸状のアニサキスの存在を確認することが有効です。肉眼で確認できる場合も多いため、食べる前にしっかりと観察することで、食中毒のリスクを未然に防ぐことができます。視覚確認はシンプルながらも非常に効果的な予防策です。

生魚を安全に食べるための注意点

日本では生魚を食べる文化が深く根付いており、多くの人々がその新鮮な味わいを楽しんでいます。しかし、安全に楽しむためには、いくつかのポイントを押さえておくことが重要です。まず、信頼できる店や漁師から購入することが一番。これにより、品質が確保され、鮮度も保証されます。また、魚が冷凍処理されているかの確認も忘れてはいけません。冷凍処理を施すことで寄生虫のリスクが大幅に減少し、より安全に生魚を堪能できます。さらに、刺身や寿司を提供する業者がアニサキス対策をしっかりと講じているかのチェックも大切です。アニサキスは特に魚の内臓に寄生するため、その処理方法に通じた業者を選ぶことで、安全性はより高まります。

まとめ

アニサキス食中毒の症状は非常に不快で、急性の腹痛や嘔吐を引き起こすことがありますが、正しい予防策を講じることで、そのリスクを大幅に減らせます。生魚を楽しむ際には、加熱・冷凍処理されたものを選んで、魚の内臓を早めに処理することで、寄生虫のリスクを低減しましょう。万が一、症状が現れた場合には、速やかに医療機関を受診し、適切な対応を受けることが重要です。これらの予防策をしっかりと講じることで、安心して生魚の醍醐味を心ゆくまで楽しめます。

投稿者プロフィール

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信岡 俊孝
経験と資格 信岡俊孝氏は2011年に看護師免許を取得し、13年間病院での勤務経験を持っています。京都の愛生会山科病院では消化器内科や循環器内科、整形外科など幅広い分野で臨床経験を積み、その後、福岡の長尾病院で透析科や回復期リハビリ病棟を担当しました。
2024年には、看護師の働き方改革を目指して株式会社ShiNを設立。

保有資格
看護師免許 (2011年取得)
AFP (Affiliated Financial Planner, 2024年取得)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
販売士2級
第一種衛生管理者免許
ビジネスマネジャー検定試験®
ビジネス法務エキスパート® (2級)
日本商工会議所簿記検定試験3級
第二種電気工事士