目次
救急車を呼ぶタイミング:どんな症状の時に救急車を呼ぶべきかの判断基準
はじめに
急な体調不良や事故が起きたとき、「救急車を呼ぶべきかどうか」を決めるのはとても難しいことがあります。正しい判断をすることで命を守るだけでなく、必要な医療を他の人に届けることもできます。救急車を使うことで、すぐに医療機関に行ける場合もありますが、軽い症状で救急車を呼んでしまうと、ほかに緊急性の高い人への対応が遅れてしまうこともあります。この記事では、救急車を呼ぶべきタイミングや気をつけるべき症状についてわかりやすく説明します。また、どのように対応すべきかや、迷ったときにどこに相談するかについても詳しく紹介します。
救急車を呼ぶべき症状:緊急度が高いケース
以下のような症状が見られたときは、すぐに救急車を呼びましょう。これらの症状は命に関わる可能性があり、早い治療が必要です。できるだけ早く医療機関に届けることで、命を助ける可能性が高まります。
1. 意識がない、または反応が鈍い
- 突然意識を失ったり、話しかけても反応しない場合は、脳や心臓に大きな問題があるかもしれません。この場合、ためらわずに救急車を呼びましょう。意識がないということは体が正常に働いていないというサインです。例えば脳出血や心停止などが考えられるため、早急に治療が必要です。
2. 呼吸が苦しい、または呼吸ができない
- 息ができない、または息をするのがとても苦しい場合は、気道が詰まったり心肺に問題がある可能性があります。特に喘息の発作やアレルギー反応(アナフィラキシーショック)があるときはすぐに救急対応が必要です。呼吸が苦しいと酸素が十分に体に行き渡らず、体の機能が急激に悪くなることがあります。このような症状を見逃さないようにしてください。
3. 強い胸の痛み、特に左胸や腕に広がる痛み
- 胸が強く痛み、左腕や背中、顎にも広がる場合は、心臓発作(心筋梗塞)の可能性があります。冷や汗や吐き気を伴うこともあります。このような場合はすぐに救急車を呼びましょう。心筋梗塞は血液が心臓に行き渡らなくなることで起こり、早く治療を受けないと命に関わることがあります。胸の痛みがあるときは、無理に動かず安静にして救急車を待ちましょう。
4. 急な激しい頭痛、意識がぼんやりする
- 急に激しい頭痛がしたり、意識がぼんやりする場合は、脳出血や脳梗塞の可能性があります。脳に関する問題は時間が大事なので、迷わず救急車を呼びましょう。脳の病気は進行が速いことが多く、早く治療を開始することで後遺症を減らすことができます。頭痛が普段と違う強さだったり、突然発症した場合は、特に注意が必要です。
5. 大けがや出血が止まらない
- 交通事故や高い場所からの転落などで大きなけがをしたときや、大量に出血して止まらない場合も救急対応が必要です。出血が多いと体の中の血液が減ってしまい、ショック状態になることがあります。特に動脈からの出血の場合はすぐに対応が必要です。出血が止まらない場合は、出血部分を強く押さえ、すぐに救急車を呼びましょう。
6. けいれんを起こしている
- てんかんの発作などで急にけいれんが起こった場合も、救急車を呼んでください。特に発作が5分以上続く場合や何度も繰り返す場合は、緊急医療が必要です。けいれんが続くと体に負担がかかり、呼吸ができなくなったりすることがあります。けいれんが始まったら周囲の危険なものを取り除き、発作が終わるのを待ちながら救急車を呼びましょう。
子どもの場合に救急車を呼ぶべき症状
子どもは症状が急に悪くなることがあるため、特に注意が必要です。大人よりも回復力がある一方で、悪化も早いため、少しの変化でも注意深く観察することが大切です。以下の症状がある場合は救急車を呼んでください。
- 高い熱でぐったりしている、けいれんを起こしている
- 高熱でぐったりしている場合や、けいれんを起こしている場合は、救急車を呼びましょう。特に生後6か月未満の赤ちゃんの場合は熱による影響が大きいため注意が必要です。
- 肌が青白くなったり、唇が紫色になる
- 皮膚や唇の色が変わるのは、体に十分な酸素が行き渡っていないサインです。このような場合はすぐに医療機関に連れて行きましょう。
- 息をするのが苦しそうで胸やお腹が激しく動いている
- 息をするのが苦しそうで胸やお腹が大きく動いている場合は、呼吸に問題があるかもしれません。呼吸が苦しそうなときは緊急対応が必要です。
- 意識がぼんやりしている、または極端に興奮している
- 子どもが普段と違う様子で、意識がもうろうとしていたり、逆に極端に興奮している場合も注意が必要です。特に普段はおとなしい子どもが急に興奮し始めた場合などは、何らかの問題が隠れている可能性があります。
救急車を呼ぶべきか迷うケース
緊急度がはっきりしないときは、「#7119」の救急相談センターに電話して、専門家のアドバイスをもらいましょう。#7119は地域によってサービスの有無が異なるため、利用可能かどうか確認しておくと良いでしょう。また、迷った場合は家族や周囲の人に相談するのも一つの手です。
1. 発熱や体調不良が続く場合
- 熱が長く続いたり、体調不良が続く場合、通常は救急車を呼ぶ必要はありませんが、40度を超える高熱や意識がぼんやりしている場合は相談が必要です。発熱による体の負担が大きい場合には、救急相談センターに連絡し、指示を仰ぎましょう。
2. 軽いけがや事故
- 軽い打撲や切り傷の場合でも、症状が悪化する可能性があるときは医療機関に相談しましょう。特に傷口が深い場合や出血が続く場合は、適切な処置が必要です。
3. 認知症や混乱している場合
- 認知症の方が急に激しく混乱した場合なども判断が難しいですが、専門家の助けを求めてください。混乱が続いたり、暴力的な行動が見られる場合には救急対応が必要なこともあります。
救急車を呼ばない方が良いケース
以下のような状況では、自家用車やタクシーで病院に向かうことを考えましょう。救急車を使わないことで、緊急性の高い人への対応がスムーズに行えます。
- 軽い風邪やのどの痛み、腹痛など
- これらは通常、緊急対応が必要な症状ではありません。自宅で安静にし、必要ならば医療機関を受診しましょう。
- 持病の軽い悪化
- 慢性的な病気の軽度な悪化の場合、救急車を呼ぶ必要はないことが多いです。かかりつけ医に相談してください。
- 予約している定期的な診察
- 定期的な診察のために救急車を呼ぶことは避けましょう。タクシーや家族に送ってもらうなど、他の手段で病院に行きましょう。
救急車を呼ぶときの注意点
救急車を呼ぶときは、次の情報を正確に伝えましょう。これにより、救急隊が速やかに適切な対応を行うことができます。
- 患者の状態:意識があるか、呼吸の状態、具体的な症状(例えば「意識がない」「胸が痛い」など)
- 症状が始まった時間や状況:どのくらい前から症状が始まったのか、何をしているときに発生したのか
- 患者の年齢、性別、持病:これらの情報があると、救急隊がどのような対応をするべきかを判断する助けになります
- 正確な住所や建物の情報:救急車がスムーズに到着するために、建物の入り口の説明なども含めて伝えると良いです
まとめ
緊急事態では冷静な判断が必要です。救急車を呼ぶべきか迷ったら、まず患者の状態をよく観察し、必要に応じて救急相談センターに連絡してください。命に関わる可能性がある症状を見逃さないよう、適切な対応を心がけましょう。また、普段からどのような症状で救急車を呼ぶべきかを知っておくことで、いざというときに冷静に行動できます。家族や周囲の人と一緒に、この情報を共有し、助け合いながら対応できるようにしておきましょう。
参考リンク:
北海道科学大学(https://www.hus.ac.jp/hokukadai-jiten/detail/4ae64fd6fbbf424a0af88c66f49514fb5d472883-17643/)
厚生労働省 (https://kakarikata.mhlw.go.jp/kakaritsuke/urgency.html#:~:text=%E7%AA%81%E7%84%B6%E3%81%AE%E6%BF%80%E3%81%97%E3%81%84%E9%A0%AD%E7%97%9B)
政府広報オンライン(https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201609/1.html)
更に詳しく見るときはこちら(https://www.genspark.ai/spark?id=a29feda9-f383-4ea3-9740-c1c26915f89f&from=fork)
投稿者プロフィール
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経験と資格 信岡俊孝氏は2011年に看護師免許を取得し、13年間病院での勤務経験を持っています。京都の愛生会山科病院では消化器内科や循環器内科、整形外科など幅広い分野で臨床経験を積み、その後、福岡の長尾病院で透析科や回復期リハビリ病棟を担当しました。
2024年には、看護師の働き方改革を目指して株式会社ShiNを設立。
保有資格
看護師免許 (2011年取得)
AFP (Affiliated Financial Planner, 2024年取得)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
販売士2級
第一種衛生管理者免許
ビジネスマネジャー検定試験®
ビジネス法務エキスパート® (2級)
日本商工会議所簿記検定試験3級
第二種電気工事士