こんな時ありませんか?

暑い夏の日に外を歩いているときや、エアコンの効いた部屋でくつろいでいるとき、いつの間にか喉がカラカラになっていたり、頭がぼーっとしていたりした経験はありませんか?それ、実は脱水のサインかもしれません。脱水は体内の水分が不足することで起こり、健康に様々な影響を及ぼす可能性があります。特に運動をしているときやアルコールを楽しんでいる際には、体はいつも以上に水分を渇望しています。運動で汗をかいたり、アルコールの利尿作用で水分が失われたりすると、体はより多くの水を求めます。こんなときは、小さなサインを見逃さず、こまめに水を飲んで、水分補給を心掛けましょう!適切な水分補給は、健康を守り、毎日を快適に過ごすための基本です。

脱水(だっすい)とは?

脱水とは、体内の水分と電解質(でんかいしつ)が過剰に失われた状態を指します。人間の体は約60%が水分でできており、この水分が体内のさまざまな機能を支えています。体の水分が不足すると、細胞や臓器(ぞうき)の働きが低下し、さまざまな症状が現れます。

image 40

脱水の原因

脱水の主な原因は以下の通りです:

  • 汗(あせ)の過剰な排出:暑い環境での運動や高温による発汗(はっかん)で水分が失われます。
  • 下痢(げり)や嘔吐(おうと):腸(ちょう)の問題や感染症により、体外に水分が多く失われます。
  • 発熱(はつねつ):体温が上がると汗をかきやすくなり、体内の水分が減少します。
  • 利尿薬(りにょうやく)やその他の薬:利尿薬は体内の余分な水分を排出するため、過剰に使うと脱水が起こることがあります。
  • 高齢者(こうれいしゃ):加齢に伴い、喉(のど)の渇き(かわき)を感じにくくなり、十分な水分補給が難しくなることがあります。
image 41

脱水の症状

脱水は、軽度(けいど)から重度(じゅうど)までさまざまな症状を引き起こします。早期発見(はっけん)と対応が重要です。

脱水の程度症状
軽度の脱水口の渇き(かわき)、軽い頭痛(ずつう)、めまい、尿(にょう)の量や回数の減少
中等度の脱水強い口の渇き、疲労感、皮膚(ひふ)の乾燥、筋肉(きんにく)の痙攣(けいれん)
重度の脱水低血圧(ていけつあつ)、意識混濁(いしきこんだく)、頻脈(ひんみゃく)、昏睡(こんすい)状態
image 42

脱水の種類

脱水には3つのタイプがあります。それぞれの特徴と原因を理解することが、正しい対策を取るために重要です。

  • 等張性脱水(とうちょうせいだっすい):水分と電解質がほぼ同量で失われるタイプ。主に下痢や嘔吐が原因で起こりやすいです。
  • 高張性脱水(こうちょうせいだっすい):水分が電解質よりも多く失われるタイプ。高熱や発汗、十分な水分補給ができない状態が続くと起こります。
  • 低張性脱水(ていちょうせいだっすい):電解質が水分よりも多く失われるタイプ。過剰な水分補給や利尿薬の使用が原因になります。

脱水の予防と対策

脱水を予防するためには、適切な水分補給(ほきゅう)が欠かせません。特に暑い日や運動をする際には、意識的に水分を摂取する必要があります。

  • 適切な水分摂取:一日に約1.5〜2リットルの水分が推奨されていますが、汗をかいた場合はその分の補給が必要です。
  • 塩分(えんぶん)補給:発汗で失われた電解質(ナトリウムなど)も補う必要があり、スポーツドリンクなどが効果的です。
  • 生活環境の管理:高温多湿の環境では室温を調整し、体温が上がらないようにすることが大切です。

脱水の応急処置(おうきゅうしょち)

軽度から中等度の脱水であれば、水分を補給することで改善できます。電解質を含んだ飲料や経口補水液(けいこうほすいえき)が推奨されます。しかし、重度の脱水や意識障害が見られる場合は、直ちに医療機関(いりょうきかん)を受診し、点滴(てんてき)などの治療が必要です。

脱水のリスクが高い人

  • 高齢者:喉の渇きを感じにくく、水分不足に気付きにくい傾向があります。
  • 子ども:体の水分量が少ないため、下痢や嘔吐で脱水が急速に進行します。
  • 病気の人:感染症や慢性疾患(まんせいしっかん)を持つ人は、脱水のリスクが高いです。
image 43

高齢者や子どもは脱水に気づかない?

高齢者や子どもは、特に脱水に気づきにくい特徴があります。高齢者の場合、喉の渇きを感じる感覚が鈍くなるため、適切な水分補給を自覚できないことが多いです。また、身体全体の水分量が減少するため、少量の水分損失でも脱水が進行しやすい傾向にあります。一方、子どもは体重に対する水分の割合が高いため、下痢や嘔吐といった急激な水分損失により、短時間で深刻な脱水状態に陥ることがあります。したがって、家族や介護者が注意深く観察し、早期の段階で適切な水分補給を促すことが重要です。

脱水が引き起こす合併症(がっぺいしょう)

脱水が進行すると、さまざまな合併症を引き起こすことがあります。特に、腎臓(じんぞう)への負担が大きく、急性腎不全(きゅうせいじんふぜん)を引き起こすリスクもあります。その他、熱中症(ねっちゅうしょう)や血栓症(けっせんしょう)の原因にもなります。

合併症内容
熱中症体温が上昇し、体内の熱を放出できない状態。意識混濁や痙攣が発生することもあります。
血栓症血液(けつえき)が濃縮され、血栓(けっせん)ができやすくなり、心臓や脳に障害を引き起こす可能性があります。
腎不全腎臓が十分に働かなくなり、老廃物(ろうはいぶつ)を排出できなくなる。特に高齢者に多く見られます。

まとめ

脱水は、体に重大な影響を及ぼす可能性のある状態です。特に、長時間の運動や暑い環境にいるとき、または水分の摂取量が不足している場合にリスクが高まります。予防として、日常生活での適切な水分摂取を心がけ、喉の渇きを感じる前に定期的に水を飲むことが重要です。早めの対応を行うことによって、より重篤な症状を防ぐことができます。また、特に高齢者や子ども、病気を抱えている人は、定期的に水分を補給し、脱水のサインを見逃さないことが大切です。例えば、頻繁な口渇や尿の減少、肌の乾燥などは注意が必要です。体の異常を感じたら、早めに医療機関を受診することをお勧めします。専門家による診断と治療が、さらなる健康への鍵となるでしょう。

投稿者プロフィール

58b3036776458177083fe7087a65f924?s=100&r=g
信岡 俊孝
経験と資格 信岡俊孝氏は2011年に看護師免許を取得し、13年間病院での勤務経験を持っています。京都の愛生会山科病院では消化器内科や循環器内科、整形外科など幅広い分野で臨床経験を積み、その後、福岡の長尾病院で透析科や回復期リハビリ病棟を担当しました。
2024年には、看護師の働き方改革を目指して株式会社ShiNを設立。

保有資格
看護師免許 (2011年取得)
AFP (Affiliated Financial Planner, 2024年取得)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
販売士2級
第一種衛生管理者免許
ビジネスマネジャー検定試験®
ビジネス法務エキスパート® (2級)
日本商工会議所簿記検定試験3級
第二種電気工事士